川向正明のリベラルアーツって美味しいの?

テクノロジーの前に、大事なのはリベラルアーツとヒューマニティですよ。

文明哲学研究所設立の宣言(京都芸術大学公式サイトより)

京都芸術大学の大階段を登り切ったところに石碑があります。

そこにはこう刻まれています。

 

藝術立国之碑

宇宙の神秘に平伏せ

地球の偉大さに畏れを抱け

生きとし生きる命を愛し尊べ

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(picture taken by Charles Lindsay, SETI Institute Artist in Residence senior advisor, Kyoto University of the Arts, Dep of Charachter Design, visitng professor)

 


TEDxKyotoが2012年に誕生し、その翌年、関西の大学生を中心にTEDxYouth@Kyotoが京都芸術大学で開催されました。

ぼくら社会人メンバーはメンターとして参加、そして大学に来てこの石碑を見たとき、これぞ、まさしく日本のリベラルアーツだ!

リベラルアーツは明治に日本に入ってきた時に藝術と意訳されたと言われています)

と、感動した記憶があります。

コロナ禍に開催されたオリンピックでの開会宣言に天皇がこっそりJOCの和訳を訂正されたことや、首相が広島で挨拶を読み飛ばしたこととかがちらほら聞こえてきますが、こんな時こそ、この言葉を知って欲しいと思いますね。

 

さらに詳しくは、2012年に出された「文明哲学研究所設立の宣言」をご覧いただければ嬉しいです。

 

京都芸術大学公式サイトより転記。()内は筆者追記。

=====

文明哲学研究所設立の宣言

 

「文明哲学研究所 設立の宣言
核廃絶と世界平和のためにー
京都造形芸術大学 (設立当時、現京都芸術大学
東北芸術工科大学 

德山 詳直 (1903.05.13-2014.10.20)

 

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「藝術立国」を建学理念とし

平和を希求する我が大学は、

人類存亡の淵に立つ今このとき、

人間の良心を基調とする

新たな文明の創造をめざし、

文明哲学研究所の設立を決意した。

 

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宇宙の神秘に平伏せ

地球の偉大さに畏れを抱け

生きとし生きる命を愛し尊べ

 

人間とは何か。

文明とは何か。

人間と文明との関係はいかなるものか。

 

人類史は、文明の興亡盛衰の歴史であった。

地球上に人類が誕生して以来、いくつもの文明が生まれ、

隆盛を極めては衰退滅亡し、

その繰り返しの果てに、今日の現代文明に至った。

 

ーどの文明においても、

滅亡の基本的な原因は社会の内部からの崩壊現象であり、

外部からの侵略だけで崩壊した文明は本質的に一つもないー

諸文明の興亡盛衰をつぶさに研究した

アーノルド•トインビーは、

歴史の教訓として、そう喝破した。

 

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いかなる文明もいつか崩壊する。

廃壇となり砂漠と化した過去の文明の痕跡は、

永遠不滅の文明は存在しないことを教えている。

 

有史以来、人類は自らの生への欲望を達成するために、

ひたすら便利さと効率を求め、

生きとし生きる生命を奪い、地球を破壊し、

いつしか、それが文明であると信じるようになった。

 

人類史を通じて、

今日ほど多くの人間が、かくも裕福に暮らした時代はない。

しかしその陰で、これほど多くの

人間が地獄の苦しみに喘いでいる時代もない。

貧困に苦しむ十億人を超える人々、

飢餓で死んでいく数多くの子どもたち、

果てしなく続く戦争と殺裁、

地球上の生物種を刻々と絶滅に追いやる自然破壊。

 

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なかんずく

現代文明が生み出した

最大の悪魔である核。

この核こそ、文明最大の矛盾である。

現代文明の基軸をなす最先端の科学技術の所産でありながら、

その科学技術をもってしても制御不可能な核。

その廃絶なくして、新たな文明への道は拓けない

 

文明の闇と光。

人類が一万年をかけてたどり着いたその姿を省みて、

文明とは、善であったのか、それとも悪であったのか。

 

幸せと平和をひたすら追い求めながら、

自らの欲望に翻弄される宿命を負った人間。

美と真実に憧れながら、自己保存のためには

他の生命を抹殺することも厭わない人間。

善と悪の狭間で絶えず揺れ動く人間。

我々は、この人間存在の矛盾を直視し、

自己中心的な欲望や微慢と対決しなければならない。

 

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文明とは何か-

この根源的な問いのもとに、

いま我々は、新たな闘いを開始する。

人類存亡の淵に立つ今このとき、

欲望に支配された文明の潮流を断ち切り、

新たな文明の造に向かわなければならない。

 

闘いの武器は、人間の良心である。

文明に対する徹底した自己反省と、

何よりも、人間だけに備わっている良心の復活、

それこそが、新たな文明哲学の出発点である。

 

いまここに、文明哲学研究所を設立し、

アジア全域の志ある人々、さらには

平和を希求する全世界の人々と堅く連帯し、

人間の良心を基調とする新たな

文明の創造に立ち向かうことを誓う。

 

201210

 

京都芸術大学公式サイトより転記、全文はこちら。

www.kyoto-art.ac.jp

 

ラピッド・プロトタイピング Rapid Prototyping リアルとオンラインのハイブリッド授業でやってみた!

2013年にTom Chiが来日した時にやったワークショップはこちらをどうぞ。

masakawamukai.hatenablog.com

 

あれからこのワークショップのエッセンスを取り入れて社会人向けにいろんなワークショップをやらせてもらってるんですが、昨年から自分が受け持つ大学のクラスでもやっています。

 

今年の前期はコロナの影響でオンラインになったんので、このRapid Prototypingもオンラインでもやってみました。いつもは

 

1. 考える

2. 作る

3. 試す

4. 修正

(3-4を繰り返す)

5. プレゼン

 

を各10分で回すので本当にRapidなんだけど、オンラインだと、なかなか試すところまで行けなくって、結局 Googel Jamboardを使って

 

1. 考える

2. 作る

5. プレゼン

 

 

で収まった。まぁ、あの手この手で「試す」ところまでできたんだけど、ちょとキャパオーバーっぽかったので、上記のサイクルで止めておいた。

 

で、昨日から後期の対面授業がスタート。

前期の振り返りでオンラインの良さや不足してるところをディスカッションをして、その上でリアルでRapid Prototypingをやってみた。

 

たまたま韓国からの留学生が入国できないんで、その彼は韓国からzoomで参加。

前期は元々オンラインでやってて、考えて作るところまではできたので、リアルの学生たちで、「試す→修正」までやってもらった。

その間、zoomの学生はどういう風に使っているか、観察。

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まだ入国できない韓国の学生はzoomでディスカッションに参加、右iPad

 

このワークショップのキモは、10分間という超絶短時間で回すだけじゃなく、全く知らない人に事前説明なしに試してみてもらうところにあります。

 

大体この手のワークショップは、作ってプレゼンして終わりなんだけど、本当に使いもんになるか検証できないんですね。

 

なので、検証もやってみる。

初見でどれだけ使えるか、説明なしに使ってもらいます。

当然、製作者の意図しない使い方をされるんだけど、そこでも教えることなく、グッと我慢してひたすら観察。

ユーザーの使用感を観察したところから修正して、また別のメンバーに初見で使ってもらうっていうのを繰り返します。

 

そうすることで劇的な進化を遂げたり、全く別のモノが出来あがったりします。

 

最初は戸惑ってた学生も、すごい適応力で修正して行きます。

 

前期オンラインでやってたこともあり、zoom参加の学生はディスカッションは問題なし。

次はデジタルで作画してもらうこともできるよねーって、また新たな可能性が見えました。

もちろん、画面の向こうでアナログで作ってそのまま写メするが画面共有で見せてもらっても良かったんだけど。

 

後期はリアルとzoomのハイブリッドになりますけど、今回のようなワークショップも十分可能だったので、少しほっとしました。

 

今後は別PCでzoom配信、iPadは韓国の学生専用にしておいたら、テレプレゼンスみたいな感じで行けそうですね。

欲を言えば、もう1台でアクセスしてスライド送り専用にで来たらそれぞれのデバイスの負荷が少なくてイイかも。これもちょっとテストしてみようかな。

 

後期、ようやく対面でスタートしたけど、やっぱりイイですね。

オンラインの良さを残しつつも、リアルでどんどん回して行ければと思います。

 

今回も、イイ感じで混乱を引き起こしてできました。w

みんな後期も宜しくね!!!

(担当の教員の皆様もどうぞ宜しくお願いします。)

 

TomChi GoogleGlassの「ラピッド・プロトタイピング」のTEDEd動画はこちら。

www.youtube.com

 

 

まさの説明書

好きな事:新しいもの。何かを作り上げる事。料理。ドライブ。人間。家族。

 

嫌いな事:予定調和。ガチガチなルール。満員電車。

 

Super Power:「銀河のマヤ ツォルキン」の13:20の波動。 (みんなに与えられたチカラ)

 

好きな言葉:

The most important thing is to enjoy your life – to be happy – it’s all that matters.

 - Audrey Hepburn 

何より大事なのは、人生を楽しむこと。幸せを感じること、それだけです。

 -  オードリー・ヘップバーン

 

一言であらわすと:わかりやすい性格のくせに難しくしてしまう。w だめやん!

そういや、ぼくの職業は「人間」って言われた事があります。なんでもやってるから。

あとは意外と癒し系らしいです。 

 

 

 

2019年 お世話になっている皆様へ改めてご挨拶とご報告。

お世話になっている皆様へ改めてご挨拶とご報告。

 

いつも何をやってるか分からないぼくに、色々アドバイスしていただき、ありがとうございます!!

まだまだ暑い日が続きますが、朝夕には吹く風に秋の気配が感じられる頃となりました。お変わりございませんでしょうか。

 

ですが、川向は何やってるかよく分からない!とお叱りを受けますので、少し宣伝っぽくなってしまいますが改めて説明をさせてください!

 

大学教員の他に、主に下記の3つの分野で活動をしております。

1、教育関連(リベラルアーツ勉強会主宰、プレゼン勉強会)

2、海外進出支援、コーチン

3、地方創生、IoTAIコーディネータ

 

1、ビジネスパーソンや経営者向けの『リベラルアーツ勉強会 超入門編』(*1)を主宰させていただいておりますが、今年に入ってお問合せが増えてきております。

高度経済成長の時は、長時間労働で売上げを上げていければよかったのですが、マーケットが成熟してきた日本では、乱暴な言い方ですが、サービスも働き方も、量より質が求められるようになってきました。

ものづくりやサービスの根底にどんな想いや理念があるかで、製品やサービスのアウトプットが変わってきます。この思想を下支えするのが、教養としてのリベラルアーツなのです。

明治時代に日本にリベラルアーツが日本に入ってきた時の日本語訳は『藝術』で、『自由への教養』とも呼ばれています。

これは、専門分野だけを学んだ生徒より、幅広い教養教育や多様性を重視している流れになってきています。

世界的にも有名なVCアクセラレータであるYコンビネーターを率いるポール・グレアム氏は、コーネル大学で哲学の学士を取得後、ハーバード大学コンピュータサイエンスの博士を取得。さらにロードアイランドスクールオブデザイン(通称RISD、リズディ)とフィレンツェの美術学校で絵画を学んでいます。この様なビジネスだけでない幅広い経験が、多くのベンチャー育成の成功に寄与しているのです。

今までAppleのヒット商品を生み出したデザイン統括責任者ジョナサン・アイブ氏も、このロードアイランドスクールオブデザインの出身です。

アメリカでは最近はMBA経営学修士)よりもMFAMaster of Fine Artsの略、美術学修士)が注目されてきており、大手IT企業では、リベラルアーツを学んだ生徒を多く採用しています。

 

欧米先行型の流れは数年遅れで日本にやってくるのですが、KRP(株式会社京都リサーチパーク)さまが主宰される『ウェルネスベンチャー・エコシステム(WVE)形成に向けて』キックオフミーティングでは、いち早くリベラルアーツについて講師をさせていただきました。10月以降に開催される本編でも講師を務めさせていただきます。(*2)

これもヘルスケアのスタートアップを立上げる時にも、自由な教養であるリベラルアーツや、医工連携の先にデザインの大切さを重要視していらっしゃる現れです。

 

まずは教養も必要なんだと知ることからスタート。

御社の社内研修や経営幹部候補生向けなど、ぜひ、お話しさせていただければ嬉しいです。

また、教養が大事だと思っていらっしゃる経営者の方をご紹介いただければ嬉しく思います。

 

2、海外スタートアップとの契約交渉や現地での市場調査のお手伝いもさせていただいています。

12年に渡るアメリカ滞在中に培ったリベラルアーツカレッジでのチューターや講師、シリコンバレーでのハイテクベンチャーの経験からアドバイスさせていただいております。

経営者は、時にはアイデアの壁打ちも必要です。そういった方々に向けて対話による相談をさせていただいています。

 

3、富山県氷見市でのIoTを活用した見守りの実証実験も今年で5年目に入り(*3)、いよいよ来年度から民生サービスとして導入できるように誠意調整中です! 他にも「まちなかへの回遊性向上検討ワーキング会議」の委員を拝命し、新しいモビリティの視点からお手伝いをさせていただいています。

 

TEDxHimiは地元のメンバーで回っているので、あとはライセンス保持者をどうするかTED本部含めて検討中です。引き続き、みなさまの応援をよろしくお願いします!

 

そして、ご報告が遅くなりましたが、この春(2019年)から御縁がありまして、京都造形芸術大学 芸術学部 キャラクターデザイン学科で教員もさせていただいております。

大学ではビジネスを、またビジネスの方々にアートやデザイン思考を、両方の橋渡しができるよう活動させていただいております。

産学公連携プロジェクトなどでも、多くの方々のサポートのお陰で、なんとか1学期を乗り切ることができました。ありがとうございました!

 

また子供達は神戸にある探求型スクールに通っており、家族で神戸に引っ越しました。

今までのプロジェクトは引き続きお手伝いさせていただいております。

 

帰国して16年になりますが、氷見での生活が1番長かったです。それだけみなさんが受け入れていただき、お力添えを頂いたお陰だと思っています。大変お世話になり、ありがとうございました。継続している見守りプロジェクトもありますし、また新たなプロジェクトもスタートしたので、引き続きお役に立てれば嬉しいです。

 

以上、長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!

みなさんのお役に立てれば嬉しいです。

 

夏の疲れも出てくる頃です、くれぐれもお体ご自愛ください。

 

お問合せやお仕事の相談はこちらまでお気軽に!

masa [at] happy-project.jp

[at] を@マークに変更してください。

 

LinkedInのプロフィールはこちら。

https://www.linkedin.com/in/masakawamukai/

 

(*1) リベラルアーツ勉強会 入門編

http://masakawamukai.hatenablog.com/entry/2017/07/10/114717

 

(*2) Life-tech3days Day2

キックオフミーティング~ウェルネスベンチャー・エコシステム(WVE)形成に向けて~

https://www.krp.co.jp/krpweek/event/001327.html

 

(*3) 病院で働くPepper、命をつなぐIoTペンダント――富山発、地方の高齢者を救うIT (1/4)

https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1606/20/news014.html

 

AIは親の愛 AI stands for parents' LOVE.


English follows

 

Facebookで参加してるモビリティ関連グループでシェアされてた記事(UKベースの車椅子やモビリティ関連メディア Access and Mobility Professional ) で、前回参加したTEDSummit2016で交わした会話を思い出したのでブログに書いておこうと思います。

 

シェアされてた記事はこちら。

Uberチックなモビリティサービスで空港内でアプリ呼ぶと、車椅子が自動走行で自分のところにきてくれるよ。』的な。

www.accessandmobilityprofessional.com

 

Uber-styleってあるので、サービス提供元はUberじゃなくって車椅子やスクーターのレンタルをやってる Scootaroundってところ。

Wheelchair and Scooter Rentals for Travel Mobility | Scootaround

 

空港内でアプリで呼び出せば車椅子が自動走行でやってきて乗れるっていうやつね。

このサイトではまだアプリ対応までできていませんが、そのうちアプリの案内も出てくるのかな。今は公式サイトから車椅子レンタルの申し込みができます。

WHILLの公式サイトのブログによれば、実際に乗れば有人モードになるので人が操作するそうです。

whill.jp

 

空港内で位置情報と見取り図とセンサーなどがあれば、ちゃんと乗りたい人のところに自動走行で配車するのは可能なんですよね。

すでにUKのヒースロー空港での実証実験は終わってるんで、WHILLの発表によるとEU圏内ではこれから販売を加速して行くそうです。

ヒースロー空港での実験の様子が動画で上がっています。無人で自動走行している様子も見られます。

vimeo.com

 

これから人が操作する方法ももっと自由に簡単になってくると思うんですけど、脳波で指示を出すのも考えられますよね。

 

2016年に開催した TEDxHimi | TED で、脳波で車椅子を操作する研究をされている中沢実教授に登壇いただいたことがありまして、そこからいろんな妄想が膨らんで行ったんですよね。

中沢さんのTEDxHimiでのトークはこちら。

www.youtube.com

 

コンセプチュアルな内容なので、社会実装までにはさらなる研究が必要なんですが、車椅子が自動走行できるようになった時に、喜ぶ人は誰なんだろうと。

今ある問題は何があるんだろうとぼくのメンターのおばちゃんと話をしてた時に、こんなことを教えていただきました。

 

それは、

『障害を持って生まれた子供をもつ親御さんが、自分たちが生きてる間は押してあげられるけど、もし亡くなってしまったら、残された子供たちの車椅子は誰が押してあげるんだろう?』

って言う切実な思いがあるということでした。

 

そこに自動走行の意味があるなと思ったんですね。

 

だったら今から親御さんが押せるまでの間の様々なデータを蓄積して、亡くなった後でもその膨大なデータを活用して自動走行してみたら?

 

例えば、路面状況やいつも通るルート。そこで交わした会話。周りの環境情報など。。。

 

「そろそろ桜の蕾が出てきたね。」

「ここからの見晴らし綺麗だからちょっと休もうか。」

 

この歩道は段差がちょっとあるから少し手前でスローダウンして前輪を少しあげてゆっくり乗り越える、とかもで車椅子の動きのデータとして取れますからね。

そんなちょっとした気遣いや環境情報をデータとして残すことで、亡くなった後でも、そのデータから親御さんのクセを生かした自動走行ができるんじゃないか。

 

今はまだ単なるA地点からB地点まで自動走行を行う段階ですが、当然、そこに乗り心地も加味してくる段階がやってきます。

その時を見越して、今からこんな視点で車椅子の自動走行を考えてもいいかもしれませんよね。(たぶん、そこまで考えてる人はやってるはず。)

 

そんな会話をしてたら、ちょうどTEDxHimiの半年後にバンフでTEDSummitが開催されたんで、参加してきました。

過去のTEDスピーカー100人(!)、世界中のTEDxオーガナイザー400人と他600人ほど総勢1100人ほどが参加されていました。

(この時に知り合ったワールドピースゲーム創始者でTEDスピーカーのジョンハンター 氏には、この1年後、氷見で特別公演をしていただきました。しかしTEDスピーカーが100人もいるってなかなかです。w この話はいずれまたの機会に。)

そこで知り合ったマッドサイエンティストIBM Fellowである、ジョン・コーン博士と、この車椅子の話をしたんですね。

ジョン・コーン博士のTwitterはこちら。

twitter.com

まぁPassionate Nerdとあるので、オタクっすね。w

でも、IBM Fellowなんで、世界トップレベルのオタク。w

や、いい意味でね。

(ちなみにIBM Fellowは各分野でトップクラスの人しか持ってないので、GIZMODEの記事によると世界で70数人しかいないとか。)

 

で、ぼくが車椅子の自動走行でこんなAIの使い方だったらよくない?って話しをしてたら、彼から衝撃のコメントが出たんですよ。

 

ジョン「そんなAIの発想はぼくらにはなかったよ。」

 

ぼく「はぁ? いやいやいやいや。あんたらWatosonチームはそんなことばっかり考えてるんでしょ?」

 

ジョン「Practical(実践的)なことはだいたいカバーしてるし、AIって言っても、脅威論とか楽観論とかそんなところにいくよね。(実際の会話はもっと長かったのでかなり意訳して短くしてます。w)しかし親の愛をAIで再現するっていいね!」

 

ぼく「ふーん、そうなんだ。ぼくら(日本人やアジア人)からしたら特別なことじゃないけどね。それにAIって愛って発音するんだよ。」

 

ジョン「おー!それはいい!」

 

これぞ、ミルキーはママの味〜、的な。(言ってません)w

 

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with Dr. John Cohn at TEDSummit 2016.

なるほど。

欧米のAI研究者は白人のおじさんがほとんどなので、この価値観の中で作られたAIが世界を占めてしまうと、それはそれで画一的ですよね。

アメリカと双璧をなす中国も、欧米とはまた対極的な思想だし。両極端すぎる。

やっぱり、ここに中庸的な日本人の入り込む余地があるんだなーって強く思いました。

 

TEDSummitに参加してから3年、空港内で、車椅子を自動走行で配車できるようになってきたのねー。。。

と、思ったら、親の愛をAIで再現するのは、もうすぐだなーって思ったのでした。

 

こういうところからも、技術一辺倒じゃない人間の根幹をなす教養教育(リベラルアーツ)って大切だなぁ〜って思うんですね。

日本には教育教養(一般教養ではない)が足りないなぁ〜って思っているんですけど、やっぱり、今からでも遅くないので、いろんな分野でリベラルアーツのことを知って欲しいなって思います。

最後にスティーブ・ジョブズの言葉を紹介したいと思います。

 

It is in Apples DNA that technology alone is not enough.
Its technology married with liberal arts, married with the humanitiesthat yields us the result that make our heart sing.

 

『アップルのDNAには、テクノロジーだけじゃ足りないっていうのがあるんだ。

それはリベラルアーツと結びつき、ヒューマニティと結びついて初めて、ぼくたちの心が歌い出すようなプロダクトができるんだ。』

 

そんな彼も禅に傾倒し、度々京都に訪れていたそうです。

そう。京都にもリベラルアーツと禅の融合があると思うんです。

この続きは、またどこかの『大人のリベラルアーツ勉強会』で。

 

京都では、KRPさんが主催されるウェルネスベンチャー・エコシステム(WVE)形成へ向けての本編で、講師を勤めさせていただきます。

キックオフミーティングの様子はこちら。

 

まさのやってることはこちら。

 

One article shared at Facebook group reminds me wonderful conversation at TEDSummit2016.

 

Original article is here

www.accessandmobilityprofessional.com

New Uber-style mobility service will allow public to call wheelchairs with an app

 

It ways Uber-style, so  actual service is provided by Scootaround based in US.

Technologically its possible to dispatch autonomous wheelchair at airport from A to designated area.

 

WHILL official site mentioned when human operate wheelchair by manual mode.

WHILL has already done test drive at Heathrow airport.

vimeo.com

 

Then, we expect driver will be able to manipilate personal vehicle by brain waves directly.

 

At TEDxHimi, Dr. Nakazawa gave us a talk about his research that human can manipulate wheel chair by brain waves. (only in Japanese)

www.youtube.com

 

Then, we continue to discuss whats current pain and issue for wheel chair users.

One of my mentors told me this.

 

Most of problem parents has disable kids is that, what if they die before kids, who push their wheel chair ?

 

Heres issue we need to solve by autonomous personal mobility.

 

In that case, why dont we save all data around personal mobility, environment, conversation, actual movement of wheel chair until parents can push.

 

We need to slow down here, because of almost cherry blossom season may come.

We can take a short rest, view from here is wonderful.

 

Maneuver data is stored when bumping road drive, just slow down few inches before hit sidewalk.

 

AI studying those data when autonomous personal mobility is controlled as parents push lively.

 

A half year after TEDxHimi was held, I attended TEDSummit and met one of IBM fellow and Mad Scientist, Dr. John Cohn.

twitter.com

We enjoyed conversation at TEDSummit, and I was surprised his comment.

When I explain how we apply AI for autonomous wheel chair, he said,

 

Never thought about that way. So, AI is parents love!

 

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with Dr. John Cohn at TEDSummit 2016.

 

Usually AI is used for how we improve productivity, but comfortability (nowaday it is).

I found a different way of thinking.

So we, Japanese has unique view points from Western culture.

 

Also, majority of AI engineers is dominated by white US middle age male and Chinese.

I was uncomfortable this situation.

However, from conversation with him, theres a hit how Japanese take action about AI and singularity, not necessarily win AI war and impossible to win.

 

After 3 years from TEDSummit, autonomous personal mobility can be dispatched at airport.

And I feel that almost AI from parents LOVE will be feasible soon.

 

This article reminds me that conversation at TEDSummit and want to share quotation from Steve Jobs.

 

It is in Apples DNA that technology alone is not enough.
Its technology married with liberal arts, married with the humanities, that yields us the result that make our heart sing.

 

Moreover, he pursue Zen culture upon Liberal Arts in Kyoto.

Im happy to share that we have all in Kyoto from Liberal Arts to Zen. 

 

I'll be instructor at Liberal arts section and related work shops, such as design thinking rapid proto typing at Creating Wellness Venture Eco-sytem hosted by KRP (Kyoto Research Park) starting from October, 2019.

 

About Masa

https://www.linkedin.com/in/masakawamukai/

 

 

 

 

 

 

 

【仕事】講師を勤めさせていただきました! キックオフミーティング~ウェルネス・ベンチャー・エコシステム(WVE)形成に向けて~ (KRP WEEK2019/Life-tech3days Day2)

KRPさんが今年度後半から主催される『ウェルネスベンチャー・エコシステム形成に向けて』のキックオフイベントで、講師を勤めさせていただきました。

krpweek2019-wve.peatix.com

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冒頭、開会の挨拶をされる田畑新ビジネス開発部部長、お隣は、筑波大学医学医療系小柳教授。

 

前半の小柳先生の講演では、アメリカのシリコンバレーだけでなく東海岸のメディカル系スタートアップ界隈のエコシステムのお話しやスタートアップの法務関係と、日本国内との対比を分かりやすく示していただきました。

また、スタンフォード大学のSPARKプログラムや、Biodesignのご紹介もあり、シリコンバレー東海岸のエコシステムとしてすでに確立されたロールモデルのご説明をしていただきました。

これが国内でも必要なのは痛感してるんですが、しかし圧倒的に日本国内では実務者が足りないとおっしゃっていたのがとても印象に残りました。(だからこそ、このワークショップが開催されるのですが。)

 

 

小柳先生が実際のエコシステム構築を日本で行うにはどうしたらいいかと言う道筋を示していただき、私のパートでは、ビジョンや理念をつくりあげる根底にくる、「リベラルアーツ」についてお話しさせていただきました。

 

最近耳にする機会も増えたリベラルアーツ

その語感から「アート」「芸術」「教養」などと連想される方が多いんですが、どれもふわっとした概念なのでごっちゃになってしまっていますよね。

そのリベラルアーツが150年前に日本に入ってきた時に「藝術」と日本語に訳されたことや、「教養」と「一般教養」の違いなどをできる限り分かりやすくお話しさせていただきました。また、最近はなんでも「洋モノ」をありがたがる風潮があるんですが、実は日本にもその思想はあったのかなぁ〜と言う考察も合わせてお話しさせていただきました。

リベラルアーツは「人間の根幹をなす教養教育」であり、「自由への教養」だと思います。

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BrainWritingWorkshop

その後は、6人組のグループに別れてアイデア出しのワークショップ(Brain Writing Workshop)をして、脳みそフル回転になっていただきました。

多様性のある参加者だとより効果的になりますよ。オススメです。

 

ウェルネスベンチャー・エコシステム(WVE)形成へ向けての本編は10月頃から4回コースで行います。

(改めてKRPさんからご案内があると思います。)

 

この続きは、本編でぜひ体感してみてください。

本編では、リベラルアーツ、デザイン思考ラピッドプロトタイピング、アイデアソンなどを担当させていただくことになると思います。

 

最近はリベラルアーツも注目されてきてるので嬉しいですね。経営者だけでなくいろんな人に聞いて欲しいと思います。

   

 

【仕事】講師を勤めさせていただきます! キックオフミーティング~ウェルネス・ベンチャー・エコシステム(WVE)形成に向けて~ (KRP WEEK2019/Life-tech3days Day2)

今回KRPさんからお声がけいただき、

ウェルネスベンチャー・エコシステム(WVE)形成に向けて~

 
キックオフミーティングにて、講師を勤めさせていただくことになりました。
こんな凄いワークショップで、なんと光栄な!!
 
申し込みは↓こちらから。(終了しました。)
 
概要は
EXPO2025大阪・関西の開催に向けて、ウェルネス分野(医療、バイオ、ヘルスケア、食品)のベンチャーがグローバル市場で勝つためのスキルを身につけられるコミュニティの形成を目指すキックオフイベント。小栁先生によるエコシステムについてのお話に続いて、黒田弁護士の講演では、入門編として国内法を例に基本的な仕組みを理解して、海外の諸規制への理解につなげていただきます。川向先生の講演では、アイディアの源泉となるリベラルアーツの重要性を実感いただくワークショップも予定されています。(案内ページより抜粋)
 
また、創薬における橋渡し研究の指導・メンタリングに基づいたトランスレーショナルリサーチのトレーニングプログラムであるStanford大学SPARK Programを実際に御経験された、筑波大学 Research-Studio 小栁智義 教授や、弁護士の黒田先生とご一緒させていただきます。なんと贅沢な!
この中で、僕はリベラルアーツに次いて少しお話しをさせてもらって、アイデア出しのワークショップを担当させていただきます。
最近よく耳にするリベラルアーツですが、まだまだ浸透してないので、短い時間ですが参加者の皆さんと一緒に考えて行ければと思います。
 
内容的には、
なぜ、高度経済成長が起きて豊かになったはずなのに、まだまだ人が中心のサービスが出てこないのか。
デザイン思考と言われて久しいのに、使い勝手が悪いサービスしか出てこないのか。
経営層だけでなく全ての人にリベラルアーツが必要なのか。
 
イノベーションは業種の人材や、多様性の交わりの中からこそ起こるのですが、均一化された中からはイノベーションはなかなか起きないのですよね。
その上で、(少なくとも社外の)多様な人たちと交わる中で、イデアを出し合っていき、いかに think out of box、つまり、枠からはみ出て考えることができるか。
と、いうのを、短い時間ではありますが、ワークショップ形式でアイデアソンをやってみたいと思います。
シリコンバレーで行われてきたDesign thinking, Rapid proto-typing にも通じる考え方です。
 
私自身、アメリカの小規模リベラルアーツカレッジカリフォルニア州オークランドの小高い丘にある、 Holy Names College。孫正義氏も2回生まで在籍、その後UC Berlekeyに編入)で学位を取得した経験から、教養(日本で一般的に認知されている一般教養ではありません)がいかに大切か、卒業から四半世紀を経てじわじわと実感してきています。
 
また、ヘルスケア分野においては、大規模なネットワークではなく、独立分散型P2Pネットワーク、IoTセンサーを活用した過疎地の見守りの実証実験を行ってきた経験や、ロボットを活用したインフォームドコンセントの社会実装があり、人が中心のサービス設計をパートナのみなさまと共に試行錯誤して参りました。
少し古い記事ですがこちらを参照 
ここでも、人が中心のリベラルアーツの考え方が大いに助かっています。
 
ヨーロッパでは人間の運用ミスを機材のレベルで防ぐような仕様になっていますが、日本ではまだまだ研修や運用で人間が頑張ればなんとかなる、という考え方が根底にあります。
この設計思想や哲学の違いが明らかに製品やサービスになって現れることになります。
また、ここにデザインの要素は残念ながら日本には足りていないと思います。
医工連携にさらにデザイン思考を取り入れる。
アートスクールにビジネスの要素を教えつつ、ビジネスにデザインの橋渡しをする。それが今後の僕の役割のひとつかなと思っています。
 
この一連のウェルネス分野のエコシステム講座においては、まずは設計思想の根底にくるリベラルアーツやデザインのエッセンスを知り、超高齢化社会の日本において、人間中心のユーザーフレンドリーなサービスを参加者の皆さまと作り上げていければ嬉しく思います。
 
日本は世界の中でも課題先進国です。日本で挑戦した様々な知見は、これから高齢化社会に直面する世界の国にとって、貴重な先進事例となることでしょう。
 
さすがKRPさんいつも骨太な企画、そんな素晴らしい企画をご一緒させていただきありがとうございます!
 
7月の月末で皆さんお忙しいとは思いますが、ぜひ、足をお運びください。
お会いできるのを楽しみにしています。
 
申し込みはこちらから。(終了しました。)

krpweek2019-wve.peatix.com

 

KRPさんのサイトでもコメントをご紹介いただきました。

www.krp.co.jp